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アウトドア環境教育

山本 幹彦(当別エコロジカルコミュニティー代表)

環境を通した学び:健康で幸福な生活を送るために

 

 アウトドア環境教育のモデルは「Learning through Landscape」ですが、その概念はこういう図になります。従来の「野外教育」が言っているのは、環境教育を通して環境について学ぶこと、野外活動でいろんなスキルを身につけて行動していくこと、そうやって自己の成長や社会の発展に役立っていくこと、その3つが重なったところが野外教育だと言われています。

 でも今回の「アウトドア環境教育」は、この3つの概念の大もとに、「健康で幸福な生活」を目指そうとする考え方がある。要するに、部屋に閉じこもったストレスフルな状態から、アウトドアに出て健康レベルが上がるような生活を送る。ストレスが下がって免疫力が高まっていくとより活動的になる。それって幸福指数が上がるっていうことじゃないかということをスウェーデンの人たちは言っています。それと同時に、私たちが健康で幸福な生活をしていると、その周りの環境の保全にもつながっていくんです。そうなって初めてまわりの環境のことも考えられるし、そこに思いやりも出てくるんです。逆にストレスフルな生活をしていると、私たちの環境を壊していくばかりですよ。目の前のものしか見えてない子どもに、いくら環境問題が深刻で持続可能性が大切だと言っても、なんにも入っていない。本当に毎日ムダなことをやっている。私はそう思ってます。環境を保全する前に、私たちの生活自体を変えていかないとダメじゃないですか。そういうことを言っているんですね。

 そうやって、活動性が増す。より人と関わったり、社会と関わったりすることで、その人自身の行動が活性化されていく。創造性や適応能力が身についていく。それがフィンランドや北欧の学力向上や創造性学習と言われるものにつながっているんじゃないかという話もあります。何かをしているんじゃなくて、普通に自分たちの生活を楽しく過ごしている。そこのベースが違うんじゃないかと思うんですね。

 じゃあ具体的にどういう活動が出来るのかというと、スウェーデンではアウトドア算数やアウトドア国語の教科書があって、外でのいろいろな活動が紹介されています。これが今、日本語に翻訳されています。

 でも、そういう話を全国で教育に携わっている仲間にしてみると、やっぱりいろんな課題も出てきました。日本ではクラスの人数が多くて先生が対応しきれなかったり、安全面の問題も出てくるだろう。教科書との連携や優れた教員の確保も必要ですね。だから今スウェーデンでは、アウトドア環境教育を指導できる教員の養成にすごく力を入れています。日本でも、そこをどうつなげていくのかっていうところが難しいですね。

 

 今日は教育全般についての話になりましたが、私たちは教育をこれからどうしていったらいいのかというところまで関わらないと、なかなか環境教育だけではやっていけないところがあるのかなと思っています。

 

 

 この取り組みに賛同していただいた阿寒の前田一歩園財団と一緒に、阿寒湖温泉町でアウトドア環境教育を進めていこうというプロジェクトが始まっています。スウェーデンのアウトドア環境教育の先生も一度来られて、次はスウェーデンから学生を連れてきて、日本の学生と一緒にこれをテーマにワークショップしてみたらどうかという話も出ています。これが本当に根づくのかどうかわからないですけれど、ひとつ、アウトドアを使った教育というものを提案していこうと思っています。もし関心のある方は、これからも一緒に議論を深めていければと思います。

 

 

 

 

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主催:北海道 / 企画・運営:NPO法人 当別エコロジカルコミュニティー

後援:(公財)北海道環境財団 / 協力:(公財)さっぽろ青少年女性活動協会

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