コミュニケーションと環境教育
川嶋 直さん(公益社団法人日本環境教育フォーラム理事長・NPO法人自然体験推進協議会理事)
相手を知ること、自分を知ること
コミュニケーションの話をします。なぜ伝わらないのでしょうか。「情報の量が多すぎる。」たくさん伝える
と安心するんだよね。「何が要点なのかがわからない。」「記憶に残る形にパッケージされていない。」例え
ば、環境問題の解決のために3つの方法がありますっていう言い方をすると、何となく憶えてますよね。「自
分の言葉になっていない。」「関係性ができていない。」まだ皆さんとは関係性はできていないですよ。でも、
一応スライドを見てもらったり、こんなことをやってるやつなんだなって思ってもらったりする。
プレゼンテーションは「KISS」でいこうという話があります。「Keep It Symple and Sharp」でKissなんです
ね。プレゼンテーションはいつも単純で鋭く。このSはSympleとSharpだけではなくてですね、StupidやShort、
バカみたいにとか短くとか、こういうのを考えるのがアメリカ人は好きなんですね。こういうふうに言うと、
「プレゼンテーションはKissとか何とかって言ってたよな」って。これがパッケージです。こういうの他にも
たくさんありますよ。
コミュニケーションはキャッチボールって聞いたことはありますか? ただ投げるだけじゃなくて、投げる受け
る、投げる受けるを続ける。投げっぱなしはキャッチボールじゃない。皆さんは相手によって、投げるボール
も投げ方も変えるでしょう。それから、いつも使っているボールや投げ方をよく知っているかどうか。ですか
ら、キャッチボールには相手を知ること、自分を知ることが大切ですね。もうわかったと思うけれど、ボール
は言葉、投げる腕は伝え方ですよね。ですからコミュニケーションはキャッチボールで、どんなボールを使っ
て、どんな投げ方で、どんな言葉をどんな風に伝えるかということは、相手によって全部違うはずでしょう。
(グループワーク)
じゃあ、近くの4~5人で輪になっていただいて、今日の今までの僕の話を聞いて、どんなことを思ったのか
とか、自由に話をしてください。質問などが出てきたら出来るだけ答えようと思います。自己紹介してからね。
(参加者どうし話をして質問タイムに入る)
参加者:なぜ本の内容がKP法で、環境教育じゃないんでしょうか。
川嶋:環境教育ってどれだけ憶えたかっていう事じゃないんですね。新しい発想がどれだけ出来るかとか、答
えがないことをみんなで考えようということなんだから。結局は僕は、いかにわかり合うかということが一番
大事だと思っているから、コミュニケーションの本を書いたのは自分の仕事の延長として全然おかしくないと
思っているんです。ただ、これはいろんなことに使えるから。この本の前半は参加型学習の方法について書い
ているんですよ。KP法の技術は後半の半分なんです。参加型のコミュニケーション、いかに人とコミュニケー
トするかということです。
参加者:無関心層への取り組みは何かありますか? 何かイベントを開いても、関心の高い方が参加されるかな
と思うんです。でも、関心のない方にも伝えたいと思っている人が多いんじゃないかと思うんですが。
川嶋:まずね、よく聞かれる質問なんですが、関心層と無関心層とがそんなに簡単に別れるのかなと僕は思っ
ているんですね。ひとりの人間の中に、関心を持っている部分と、とてもダメな部分があったりするんじゃな
いですかと僕は思っています。人間にはいろんな面があって、ただどの面を出すかを決めているだけなんです
ね。その辺りを歩いている人たちは無関心層だというのは、本当にそうですかということです。だから、僕は
こういう想定をしちゃうことが閉じちゃうんじゃないかという気がしてね。僕は広告会社の人と一緒に仕事を
することが多いんだけれども、彼らは何十万人、何百万人にメッセージを出す人たちですからね。いろいろ考
えてますよ。出来るだけ直接のコミュニケーションをすることが僕らの仕事。彼らはメディアを使うことが仕
事。僕たちとメッセージの出し方は違いますけれども、ベースでつながるところがすごくある。相手によって
バラツキがあるから難しいけど、そもそもどういう設計をするかですよね。
司会:時間が来たのでここまでにしましょう。川嶋さんにはKP法を使ったプレゼンテーションをしていただ
きました。どうもありがとうございました。
* * *


「KP法 シンプルに伝える
紙芝居プレゼンテーション法」
川嶋 直 著

KP法
紙芝居プレゼンテーション法。
伝えたいキーワードを紙に書き出し、ホワイトボードなどに順番に貼りながらプレゼンする手法。頭の中で考えていること、伝えたいこと
を単純なキーワードに置き換え、紙芝居のようにストーリーを組み立てることで、思考を整理し、シンプルかつストレートに相手に伝えることができる。
主催:北海道 / 企画・運営:NPO法人 当別エコロジカルコミュニティー
後援:(公財)北海道環境財団 / 協力:(公財)さっぽろ青少年女性活動協会