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環境の村エコサロンは、1つのテーマをもとに、集まった方々が環境のことを語り合う場所。

毎回違ったテーマでゲストをお招きし、参加者どうしが交流を図るサロン形式の場です。

2013

環境の村エコサロン2012

★第1回「森のムッレ教室と北欧の森のようちえん」

 

日 程:2012/11/27(水)

​場 所:Event Space EDiT (札幌市中央区南2条西6丁目)日 程:2012/11/27(水)

 

ゲスト:Siw Linde & Magnus Linde (Sweden)

     Jill Westermark & Berndt Karisson (Sweden)

     Rose-Marie Salfjord & Sure Salfjord (Sweden)

     Anna Gillenius-Kull (Sweden)

     Anita Egle & Theo Egle (Germany)

     Rosaleen Joyce (England)

ヨーロッパでの森のようちえんの第1人者たちが、スウェーデン、ドイツ、イングランド(イギリス)から札幌にやって来ました。それぞれの国で、子どもたちを森の中で教育する森のようちえんのリーダーであり、またスウェーデンから森のムッレ教室の指導者も共に参加してくれました。

 

彼らは兵庫で行われた「森のようちえん国際シンポジウム」のため来日していて、その後札幌に移動し、エコサロンで講演をしていただきました。同時に、北海道の森のようちえんやアイヌ文化などを見学するエクスカーションを行いました。

 

 

スウェーデンの段階的な野外教育プログラム

スウェーデンは国土の約70%が森林で、生活の身近に森や自然が広がっています。自然と共に暮らす国民性のため、森林公園やビジターセンター、スケートリンクなど、自然の中で過ごすための場がいくつも用意されています。そんな彼らは子どもたちの教育も自然の中でおこなうのが当たり前で、そのような背景からスウェーデンの幼稚園の70%ほどが野外教育プログラムを取り入れています。

 

 

 

 

 

 

子どもたちは自然の中で楽しみながら、五感を育み、様々なことを学び、身体を鍛え、心を発達させて、将来の生き方の基礎を築いていきます。そのためスウェーデンの幼児教育では、自然の中で心身を育む段階的なカリキュラムが形作られています。このカリキュラムは、無理のないステップで構成されています。

ステップの初めは、自然の中で楽しむこと(Enjoy)。これは自然と関わる大事なきっかけです。

次に観察(Observe)。自然が身近に感じるように、目の前のものを良く見ることが必要です。​そして理解と学びも大事な要素です(Understand, Learn)。自然の成り立ちや人との関係性を、野外での体験を通して学び、理解していくのです。

こうしてステップを経て、自分で決断し(Conclude)、環境に対する責任として行動(Act)していくことが出来ます。

この6つのステップを年齢順に3つに分け、1〜3歳をSKOGSKNOPP(森のクノッペン)、3〜4歳をSKOGSKNYTTE(森のテントウムシ)、5〜6歳をSKOGSMULLE(森のムッレ)というプログラムを用いて段階的な教育を行っています。

ムッレとは森の中に住む妖精のことで、子どもたちはこのムッレから自然との関わり方を学んでいきます。この「森のムッレ」は、他のプログラムの元となるコンセプトでもあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

ドイツとイギリスの森のようちえん

ドイツには現在、1000以上の森のようちえんがあり、また人気が高く入園を長く待たされるような状況です。野外教育は北欧から渡ってきたコンセプトで、ドイツでは1993年に始まりました。北欧との違いは、拠点となる建物はシェルターと呼ばれる小さな小屋があるだけで、施設や校舎を使わないのが特徴です。このシェルターは少し森の中に入った所にあり、道具置き場や悪天候の時の避難小屋として使われます。しかし子どもたちは、晴れの日も雨の日もあまり気にせず、のびのび遊んでいます。

 

イギリスの野外教育のカリキュラムによれば、ようちえんや学校では野外に子どもたちを連れて行く必要があると決められています。このような自然学校は人気があり、大都市や地方まで拡大しています。

子どもたちは実践的な教育として、自然の素材を使って算数などを学びます。

 

 

ヨーロッパ、北欧の森のようちえんの概要とそのコンセプトを、実際に現地でリーダーとして活躍されている皆さんに紹介していただきました。この考え方は、スウェーデンの次に森林の多い日本でも役立つエッセンスと可能性を持っていると思います。

本当に陽気で楽しそうな皆さん。最後は会場でムッレの歌を披露してくれました。

「子どもたちは、自然と野外で暮らすことの接点が必要」

このことは、私たちの基本的な考え方であり、子どもたちの感覚を育て、身体を発育させ、社会性を育むのに効果的だと確信しています。(Siw Lindeさん)

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主催:北海道

企画・運営:NPO法人 当別エコロジカルコミュニティー

後援:公益財団法人 北海道環境財団  協力:(株)アルバイト情報社

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