
学校教育と野外での学び
~アメリカや北欧の野外での学びから学ぶこと~

@オンライン・北海道環境の村
2010年の春、スウェーデンの自然学校のスタッフの方々が持続可能なスウェーデン協会のサポートにより北海道にあるTECの事務所を訪ねて来られた、その時、「私たちは学校教育において自然が教室として、教材として重要であるという考えの元、スウェーデンでは野外教育が公立学校の教育に組み込まれています。しかし、日本では野外教育が学校現場以外のところで発展していますが、教育制度には組み込まれていないようです。」とおっしゃっていて、「いや、日本では特別活動として宿泊学習などで野外教育を多なっていますよ。」と説明したところ、『遊びながら野外で学ぼう 野外で算数』の本をカバンから取り出され、「スウェーデンでは野外教育を特別な活動ではなく、公立学校において日常的に算数や国語、英語などを教室だけではなく、校庭などの野外(Outdoor=教室の外)を使って教育を行ってるんだよ。」と詳しく話を聞くことができこの本に興味を持つことになります。
2015年、スウェーデンの自然学校を訪ねることにして、『遊びながら野外で学ぼう 野外で算数』の著者が運営するNynäshamns自然学校の活動をじっくり見てみようと、3日間にわたって朝から夜まで彼らの後ろをついて回りながら、どのような教育をしているかだけではなく、その背景を知ろうとした。
そこでわかったのは、彼らは1970年代にアメリカに野外教育の視察に行き、その時のアイディアをスウェーデンの学校教育に取り入れていくための仕組みとして自然学校を作っていったということと、自然学校は何も建物のことではなく、自然というフィールドでの直接体験とそこでの体験学習という指導法を実践し、他の先生方にも見てもらうこととして位置付けて80年台から始めたという。
あれ? 日本でも1970年台から多くの方がアメリカへ行き野外教育を学んできたと聞いているが、日本の公立学校の教科学習にその考え方が活かされていない。どうしてだろう? と思っている時に、ヒョンなことから『遊びながら野外で学ぼう 野外で算数』を日本語にして出版した時、明治大学名誉教授の星野敏男さんに『遊びながら野外で学ぼう 野外で算数』の話をしたところ、「1989年に『ティーチング・イン・ザ・アウトドアーズ(~なぜ教室の外で学ぶのか~)』というアメリカでの野外教育が学校教育の教科教育に取り入れられ、その活動を紹介した本を送っていただいた。
しかし、『遊びながら野外で学ぼう 野外で算数』をテキストとした研修を行って来ていますが、学校の先生の参加がほとんどなく、フリースクールやオルタナティブスクール、森のようちえんの先生や保護者の方々からの問い合わせがほとんどです。
そこで、星野敏男さんをゲストに「どうして日本の学校教育の、その中でも教科教育と結びついた教育や教授方が広がらないのか?」という疑問をぶつけながら、その可能性について一緒に対談してみることにしました。
また、『遊びながら野外で学ぼう 野外で算数』を一緒に翻訳した私の次男の風音が現在は長野県伊那市の地域おこし協力隊としてでフィンランドの学校と伊那小学校などとの交流事業や森の中での学びをテーマとした交流を行っているので、フィンランドやスウェーデンの野外での学びについての事例を紹介してもらうことで何かヒントが見つからないかと思っているところです。
野外というフィールドという点では北海道は恵まれた環境にあります。その恵まれた野外という環境での体験はきっと深く、活きた学びにつながり、尚且つ自然の中で過ごす時間が多くなるので地域の自然や環境に関心が自然と向くと、多くの国の研究データーからも言われています。
また、35万人ともいわれている全国の不登校の子どもたちにとっても、すでに教室から飛び出しているので、そのOutdoorを使った学びの場はきっと彼らにとっても過ごしやすい学校になるきっかけになるのではと思います。
今回のエコロジーワークショップはオンラインで夜の時間帯に行います。北海道ではまだ冬休みです。ぜひ、ご参加いただいて一緒に野外での学びの場について話ができればと思います。
【日時】2026年1月12日(月・祝) 19:30-21:30(15分前より受付します)
【場所】オンラインzoom
【定員】30名程度(先着順)
【参加費】無料
【ゲスト】・星野敏男さん(明治大学 名誉教授)
*『ティーチング・イン・ザ・アウトドアーズ(~なぜ教室の外で学ぶのか~)』を1989年に
「日本野外教育研究会」のメンバーとして翻訳出版され、日本での野外教育を教育現場に紹介。
・山本風音(合同会社 ラーニングアウトドア)
*スウェーデンの学校でテキストとして使われている『遊びながら野外で学ぼう 野外で算数』や
アメリカの『インタープリターズ ガイドブック』を翻訳。現在は長野県伊那市でフィンランド
の学校と交流をしながら、森をフィールドとした野外教育の仕組みを模索中。
【対象】北海道にお住まいの方でテーマに関心のある方を対象としますが、定員に満たない場合は道外からの参
加者も受付ます。ただし、10日前の時点で定員に満たない場合とさせていただければと思います。
【申し込み】以下のwebサイトからお申し込みください。
また、北海道以外の方は仮申し込みとさせていただき、10日前にご連絡いたします。
【主催】北海道
【連絡先】tectec_ee@yahoo.co.jp(NPO法人 当別エコロジカルコミュニティー)まで。
【後援】(公財)北海道環境財団
詳しい持ち物、集合場所はお申込み後にご案内します
