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-  金沢の森づくりプロジェクト

当別町の町外れ、金沢地区に広がる森で学び、森に遊び、森を活かすプロジェクト。​

この場所は、広大な石狩平野の田園風景が終わり、道民の森や遠く暑寒別へと続く山の連なりが始まるところです。人々の営みと、奥深い自然との境界で、人と自然の関係を取り成す、地域に根ざしたネイチャーセンターの取り組みです。

森で働く人が減り、森の恵みをいただきながら暮らす生活から離れてしまいました。自然と向き合い、 何世代にもわたって森を使い続けるという生活から遠ざかるにつれて、日本の森が荒れてきました。 林野庁もこのまま放っておくわけにもいかず、2年前から「森林・山村多面的機能発揮対策事業」 という、市民の力で行う森づくりを支援する事業を全国で行っています。 そこで、今年から私たちもこの事業に手を上げることにしました。個人的にもまた、地元金沢の森 で自然と向き合って暮らしたいと日頃から思っていました。そこで、私と同じような思いでこの地 に移り住んだ方が多いこのコミュニティで声を掛け、森づくりのプロジェクトを立ち上げました。 これはその第1 弾として、インタープリターの三木さんをゲストに一緒に森を歩き、皆で意見を交 わした際のレポートです。関心を向けていただき、是非ご一緒できれば幸いです。

● フィールドとなるのは田園住宅沿い、パン屋さんのノルトエッセン近くの一画です。この土地は 辻野建設さんの土地で、今回の事業に登録して自由に使える約束をしていただいたところです。

● 実際にこの場所を歩いてみると、森の入り口には数年前まで個人で祀った神社があり、小さな祠(ほ こら)の跡が平らな場所になっていました。参道の両側にはドイツトウヒが天高く延び、辺りには 桜の老木も見られ、春には花見をした光景が目に浮かびます。祠は建立した方が丁寧に片付けられ たと聞きましたが、ここで開拓の安全や成功を祈ったのでしょうか? 何かの災害を乗り切るために 建てたのでしょうか? この神様を祀った場所の環境は大切に残したいと思いました。

● 尾根に沿ってそれほど急峻ではない斜面を登っていきます。道はなく、シカの歩いた獣道のよう です。すると木の幹に大きな爪痕がついたトドマツを発見。一瞬「クマか?」と思ったのですが、 シカの角の跡だと三木さんに聞き、ホッと一安心。男鹿が角を落とすときに木に引っかけた跡のよ うです。地面をよくみると糞もたくさん落ちています。

● しばらく行くと、真っ直ぐに伸びた針葉樹の植林帯が辺りに広がります。ここから上の部分は町 有林で、植林されたトドマツは樹齢30 年~ 40 年といったところでしょうか。間伐の時期を過ぎた 森は鬱蒼と暗く、生長できなかった木が折れたりしています。この森を自分たちで手入れし、そこ で出た木材が地域で循環していけば良いのに、と話し合いました。

● また、ゲストの三木さんから「この平らなところがどうしてで来たかわかる人?」との問いかけに、 見渡してみると確かに尾根の周りの至る所が平らになっています。話を聞くと、昔の地滑りの跡の ようです。この辺りの地形は古く、数十年、数百年単位で小規模な地滑りが起こり、その場所が平 らになって木が育ち、またその近くで地滑りを繰り返して出来た地形だと言います。

● 最後に、近所のパン屋さんノルトエッセンでコーヒーミーティングを開きました。「こんなことを してみたい」というたくさんのアイデアが出てきました。その様子は次号のニュースレターで。

今後は、道や広場の整備、森の間伐や活用、子ども向けの森のようちえん、森の中での様々なイベ ントを計画しています。いろいろな方々の協力・協同が必要です。皆さんの参加をお待ちしています。

 

金沢の森ネイチャーセンター代表:山本幹彦 / 連絡先:tectec_ee@yahoo.co.jp

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